現在開催中の Build 2014 にて 新機能などの発表がされており、Microsoft Azure のアップデートは Day2 Keynote の前半で取り上げられました。発表済みの内容もありますが、各サービスのアップデートがデモを交えて紹介、アナウンスされました。
■インフラストラクチャサービス関連: Azure 仮想マシン / 仮想ネットワーク
■ Web アプリケーション / サービス 関連: Azure Web サイト / CDN
■モバイルアプリケーション 関連: Azure モバイルサービス / AD / 通知ハブ
■データベース関連: Azure SQL データベース / ストレージ
■開発言語関連: .NET
■ 管理ツール関連: Azure 管理ポータル / Resource Manger / Visual Studio Online
この中でも一番最後に公開された Azure 新ポータルに驚かれた方が多かったのではないでしょうか。
■ インフラストラクチャサービス関連 : Azure 仮想マシン / 仮想ネットワーク
Azure 仮想マシン
- Visual Studio との開発統合
- Visual Studio から VM を作成、ローカルでデバッグすることも可能になるなど、開発面でのツール統合が図られています
- VM イメージのキャプチャ&デプロイ
- VM のスナップショットを取得できるようになり、バックアップとして利用したり、そのままデプロイしたりすることが可能になりました
- Pupet / Chef / Powershell DSC (Desired Site Configuration)のサポート
- VMの構成を必要な構成を宣言型で指定することで、一括管理 / 自動化するツールである Pupet および Chef をサポートしました。Pupet Master VM イメージが用意されているほか、VM にPupet Agent を容易に追加できます
Azure 仮想ネットワーク
- Point-to-site VPN、動的ルーティング 正式リリース
- 個別のマシンから Azure 仮想ネットワークへの接続を行う機能が正式リリースとなりました
- サブネットマイグレーション
- 仮想ネットワーク内部の固定IP設定
■ Web アプリケーション / サービス 関連: Azure Web サイト / CDN
Azure Web サイト
- Java のサポート
- 管理ポータルから設定できるようになっており、Apache Tomcat / Jetty が選択できます
- 自動スケール 正式リリース
- Webサイト以外にも Azure 仮想マシン、クラウドサービス、モバイルサービスで正式リリースです
- ステージング環境 / Traffic Manager サポート / バックアップ
- Web ジョブ
- WebJobs SDK により Visual Studio でコーディングでき、BLOB ストレージへ直接配置できます。また、ダッシュボードが用意されており、管理 / 確認ができます
- Visual Studio との統合
- 新規プロジェクト作成時にAzure Webサイト、仮想マシンを指定して直接作成可能になりました。Visual Studio 2013 Web エディタ機能であるブラウザーリンク (Browser Link) を使って、ブラウザで修正したい箇所を選択、さらにブラウザー側の開発者ツールでコード修正を行うデモも紹介されていました
- Powershell 自動化
- Node.js プロジェクトのサポート
- .NET アップデート: ASP.NET MVC 5.1 / Web API 2.1 / Identity 2.0 / Webpages 3.1
Azure CDN (コンテンツ配信ネットワーク)
- CDN 正式提供開始
- 一時新規作成が中断されていましたが、正式提供となり、エンドポイントの新規作成もできるようになっています
■ モバイルアプリケーション 関連: Azure モバイルサービス / AD / 通知ハブ
Azure モバイルサービス
- バックエンドの .NET サポート
- バックエンド側のサービスは Mobile Service SDK でローカルで開発でき、ローカルまたはリモートでデバッグもできるようなりました。
- Web API、ブラウザからAPIをテスト可能
- Active Directory 認証の導入とSSO
- AD 認証はSDKで簡単に追加でき、SSOを容易に実装できます
- Offline Data Sync
Azure Active Directory
- iOS / Android SDK
- .NETのコードはポータブルということで、Xamarinデモ →要確認
- Office 365 API の統合
- Office 365 API で Sharepoint に Word ドキュメントを作成する iOS アプリ開発を行うデモが紹介されていました
Azure 通知ハブ
- モバイルサービスとの統合
- Kindle へのプッシュ通知のサポート
■ データベース関連: Azure SQL データベース / ストレージ
Azure SQL Database
- 1 DB当りの最大サイズを 150 GB から 500 GB に拡大
- 99.95% SLA を保証
- DB の Self Service Recovery
- データの破損、障害等の際に、バックアップおよびリカバリーを行う機能
- Active Geo-Replication
- データセンター自体の障害時でも他の地域に複製したデータベースに接続して可用性を保つフェイルオーバー機能
Azure ストレージ
- 読み取り専用 Geo 冗長ストレージ (Read-Access Geographically Redundant Storage (RA-GRS)) 正式リリース
Azure HDInsight
- Hadoop 2.2 対応 / .NET 4.5 対応
- Audit および オペレーション履歴
- Hive query 強化
- YARN サポート
- .NET Compiler Platform (Code-named "Roslyn") オープンソースとして公開
- C# / VB コードのリファクタリング、コンパイルをサービスとして提供する "Roslyn" が、Build Keynote の壇上デモで OSS として公開されました。Xamarin からのコンパイルで利用するデモも紹介されていました
- http://roslyn.codeplex.com/
- .NET Foundation の設立
- .NET のための オープンソーステクノロジーの開発、共同作業などを支援するための組織である .NET Foundation の設立がアナウンスされました
■ 管理ツール関連: Azure 管理ポータル / Resource Manger / Visual Studio Online
Azure 管理ポータル
- 新ポータルをプレビュー公開 (https://portal.azure.com から利用可能)
- "リソースグループ" と呼ばれるサービスのグループピングが導入され、関連リソースをまとめて一覧、管理することができるようになりました
- 利用可能なサービスを一覧表示するギャラリーや、リソースのモニタリング、課金明細などが一画面で確認できるようになり、カスタマイズしてダッシュボードとしても利用可能で、タッチパネル操作をも想定したデザインとなっています
- windowsazure.com のページも合わせて azure.microsoft.comに切り替わっています。
Visual Studio Online
- Visual Studio Online (旧 Team Foundation Services) 正式リリース
- チームプロジェクトの作成や管理など、Azure 新管理ポータルとの一層統合が図られています。また、オンライン IDE 機能を提供する "Monaco" もデモで紹介されていました
- 正式リリースに伴い、可用性 99.9% の SLA が設定されました
Azure Resource Manager
- Azure Resource Manager プレビュー公開
- リソースグループの構成(リレーション、依存性など) を管理できる機能で、設定ファイル(JSON)として保存し、Powershell でリソース構成のバックアップや複製といった操作、管理を行うことが可能になりました
Microsoft News Center > Microsoft evolves the cloud experience for customers
The Official Microsoft Blog > Microsoft announces new cloud experience and tools to deliver the cloud without complexity
Channel 9 > Build 2014 (ストリーミング視聴)